腹部手術後の鎮痛のための超音波ガイド下腹横筋平面(TAP)ブロックにデキサメタゾンを追加した局所麻酔剤の効果:ランダム化比較試験の系統的レビュー及びメタ分析

腹部手術後の鎮痛のための超音波ガイド下腹横筋平面(TAP)ブロックにデキサメタゾンを追加した局所麻酔剤の効果:ランダム化比較試験の系統的レビュー及びメタ分析



本研究は、腹部手術後の患者における超音波ガイド下腹横筋平面(TAP)ブロック中に局所麻酔剤にデキサメタゾンを追加する治療の鎮痛効果を評価することを目的とした。

PubMed、CENTRAL、EMBASE、Web of Scienceを検索し、選択されたランダム化比較試験(RCT)により、術後の痛みの程度、追加鎮痛薬の初回要求までの時間、および術後24時間のオピオイド消費について分析された。

その結果、デキサメタゾンを追加した群は、コントロール群に比べて、術後4、6、12時間での視覚的アナログスケール(VAS)スコアが著しく低下し、追加鎮痛薬の要求までの時間が延長され、術後24時間のオピオイド消費が減少した。

また、術後の吐き気と嘔吐の発生率も著しく減少した。

これらの結果から、デキサメタゾンを追加したTAPブロックは腹部手術後の鎮痛において安全かつ効果的な戦略であると結論付けられる。



活用案

この研究の成果を基に、病院や手術センターは術後の痛み管理プロトコルを見直し、デキサメタゾンを含むTAPブロックを標準治療として導入することが考えられます。

これにより、患者の快適性の向上と回復時間の短縮が期待できます。



よくある質問


Q: デキサメタゾンを追加することの主な利点は何ですか?
A: デキサメタゾンを追加することで、鎮痛効果が増強され、術後の痛みの強度が低下し、追加の鎮痛薬の要求までの時間が延長されることが主な利点です。
Q: TAPブロックにおいてデキサメタゾンの副作用は報告されましたか?
A: 本研究においてデキサメタゾンの副作用は報告されておらず、全ての研究で合併症は報告されていません。



未来予測

今後、TAPブロックにデキサメタゾンを含む局所麻酔剤を標準的に用いることが増える可能性があります。

また、さらに広範な患者群に対する臨床試験が行われることで、さらに具体的なガイドラインや使用上の推奨が確立されるかもしれません。



元論文はこちら: https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0209646



← 前の記事を読む

コメント