シストソーマ・マンソニの還元酸化系を標的とする定量的ハイスループットスクリーニングによる抑制剤の同定
シストソーマ・マンソニの還元酸化系を標的とする定量的ハイスループットスクリーニングによる抑制剤の同定
本研究では、熱帯病シストソーマ症(シストソーマ・マンソニ感染症)を治療するための新たな薬剤候補の探索が行われました。
シストソーマ症は現在、全世界で2億人以上が感染しており、唯一の治療薬プラジカンテルの耐性発生リスクが増加しています。
本研究で特定された酵素、チオレドキシン/グルタチオンレダクターゼ(TGR)及びペルオキシレドキシン(Prx)は、寄生虫がホストの免疫応答から生じる活性酸素種を分解し、長期間生存するメカニズムの要です。
これらを標的として、71,028化合物を用いた定量的ハイスループットスクリーニング(qHTS)を実施し、幾つかの新規化合物シリーズがTGRの強力な抑制剤として同定されました。
これらの化合物はシストソーマ症用の新たな治療薬候補として今後の検討が期待されます。
活用案
本研究で同定された化合物は、シストソーマ症だけでなく他の抗酸化防御メカニズムを持つ病原生物に対しても有効な可能性があります。
詳細な機構の解析とともに、これらの化合物を基にした治療薬の開発が進められることが期待されます。
よくある質問
Q: シストソーマ症とは何ですか?
A: シストソーマ症はシストソーマ属の寄生虫によって引き起こされる熱帯病で、主に発展途上国にて水源を介して感染します。感染すると栄養障害や認知機能低下などを引き起こすことがあります。
Q: この研究の目的は何ですか?
A: 本研究の主な目的は、TGRとPrxという2つの酵素を新たな薬剤標的として利用し、シストソーマ症治療のための新規化合物を同定することです。
未来予測
本研究で同定された化合物は、TGRを標的としたシストソーマ症治療薬の開発に寄与する可能性が高いです。
今後、これらの化合物の生物学的活性や安全性の詳細な検討を通じて、新しい治療オプションの開発が進むことが期待されます。
また、本研究のアプローチが他の熱帯病に対する薬剤開発にも応用される可能性があります。
元論文はこちら: https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pntd.0000127
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